こんにちは、Islaです。
イギリスに在住経験があり、SCAE(ヨーロッパのスペシャリティーコーヒー協会)の資格を持ちながらロンドンでバリスタをしていました。
今回の記事は
といった方向けに今回は「バリスタ目線」でイギリスの水について解説していきます。
イギリスの水事情についての理解が深まり、紅茶やコーヒーそしてウィスキーについても詳しくなれる!!
水の硬度について
まず水の硬度についてです。
日本は軟水ですが、海外では硬水の国が多いです。
硬水とはカルシウムとマグネシウムを多く含んだ水のことを言います。
硬水と言ってもカルシウムとマグネシウムがどの程度含まれているかの濃さによって変わります。
WHO(世界保健機構)の基準によると以下の通りです。
軟水 | 0 – 60mg未満 |
---|---|
中硬水 | 60ml – 120mg未満 |
硬水 | 120 – 180mg未満 |
超硬水 | 180mg以上 |
数字で見ると分かりにくいため有名なボトルウォーターを例にまとめました。
CRYSTALGEYSER(クリスタルガイザー)
CRYSTALGEYSERは38mg程度の軟水です。
Volvic(ボルヴィック)
Volvicは60mg程度の軟水です。
evian(エビアン)
evianは300mg程度の超硬水です。
Contrex(コントレックス)
Contrexは1500mg程度の超硬水です。
私は硬度が高い硬水をそのまま飲むことが苦手で、留学当初は軟水を見分けることが大変でした。
生活用では、スーパーなどで大きなボトルウォーターを購入する方が安いのですが、外国の知らないメーカーが多かったため毎回買い替えたりして良いものを探したりと試行錯誤していました。
ですが、この硬度について知っていれば自分に合った水の見分け方が分かり、成分表をチェックすればすぐに見つけられるようになります。
また、留学予定の方などは、硬水でシャワーを浴びたりすると髪にダメージがつきやすかったり肌に合わなかったりする場合が多いため、しっかりとケアをする必要があります。
硬水の紅茶は美味しい?
イギリスといえば「アフタヌーンティーの紅茶」というイメージを持っている方は多いと思います。
そんなロンドンの水は硬水です。
硬水と言ってもヨーロッパの中では硬度が比較的低く、中硬水程度です。
ロンドンの紅茶が美味しいと言われる理由のうちの一つには水の硬度が関係しています。
中硬水程度の硬度の水を使用して紅茶を抽出した場合には、紅茶にあるタンニンという渋みや苦味の出る成分の抽出が抑えられます。
そのためバランスの良い味からロンドンの紅茶は好まれていると言えます。
ですが、硬度が高すぎると逆に渋みや苦味が増してしまうため、硬水で抽出した紅茶が美味しいとは言い切れません。
苦味や渋みを抑えたような紅茶にするには、適度な硬度での抽出ということになります。
紅茶は、実は軟水で抽出した紅茶の方が香りは高く、色が明るく抽出されます。
コーヒーは軟水が良い?
コーヒーは軟水で抽出した方が良いと一般的に聞きますが、実際はどうでしょうか?
SCAE(ヨーロッパのスペシャリティーコーヒー協会)の基準では水の硬度について以下の通りに記されています。
Magnesium (Mg) and calcium (Ca) in equivalent concentrations in water.
The recommended range of total hardness is within 50-175 ppm CaCO3
マグネシウムとカルシウムの度合つまり、硬度は50-175mgの範囲内が良いとされています。
このような基準を元にスペシャリティーコーヒーショップであれば、しっかりと水の硬度を測っているため紅茶のイメージの強いイギリスでも、コーヒーは負けずに美味しいです。
私も毎朝水の硬度を測っていましたが、個人的には100mg以下の硬度がちょうど良いと感じます。
紅茶もコーヒーも、茶葉や豆の種類や量、水の量、温度によって味の感じ方は変わります。
それぞれの個人的な好みにより基準は変わってしまいますが、そのものの味を生かして美味しく飲むには、それぞれのものにあったレシピで抽出することが重要です。
スコットランドは軟水
ロンドンを含むイングランドは主に硬水の地域が多いですが、スコットランドは軟水です。
ウェールズは軟水〜中硬水、北アイルランドは軟水なところもあれば超硬水のような地域もあります。
イギリスの地域についてよく分からないという方はこちらの記事をご覧ください。
スコッチウィスキーは軟水
スコットランドで美味しいと有名なスコッチウィスキーは水が命とされていて、軟水や軟水に近い硬水で作られています。
醸造する時に厳選された軟水を使用することでウィスキーの味わいに大きく影響します。
ウィスキーは水を加えると香りが広がりやすくなり、味わいも感じやすくなります。
その水を軟水にすることで、まろやかな口当たりや香りを楽しむことができます。
そのためスコッチウィスキーを飲む時のチェイサーも軟水にすると、より味わい深くなります。
ちなみにイギリスでのウィスキーを表すスペルはアメリカ英語のwhiskeyとは違い、eがないwhiskyとなります。
そしてアイルランドではスコッチウィスキーと区別をさせるためにアメリカ英語と同様のwhiskeyとeをつけて表記されています。
まとめ
- イングランドは主に硬水(ロンドンは硬水)
- スコットランドは軟水
- ウェールズは軟水〜中硬水
- 北アイルランドは軟水〜超硬水
イギリスは地域によって硬水か軟水かが違います。
そして海外でもイギリスの水道水は飲めるので、レストランなどで無料の水を頼むとその地域の水道水を飲むことができます。
無料の水は英語でtap water(タップウォーター)と言います。
tap waterとは水道水のことです。
旅行や留学でイギリスに行った際には今回の内容を知っていると、よりイギリスを楽しめるかと思います。
以上が「紅茶で有名なイギリスの水は硬水?軟水?【正解は両方】」でした。
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